食用以外の植物原料を使った、バイオエタノール生産
石油価格の高騰化に伴い、バイオマスを利用したエタノール燃料が注目を浴びているが、これに伴い本来食料として栽培されている、とうもろこし、大豆等の高騰化が進行していることは、全世界の人々の今後にとって大きな危機を予兆することではないだろうか?
たしかに、石炭・石油などの化石燃料と異なり、再生可能なカーボンニュートラルの資源として、バイオマスを原料とする、バイオエタノール、バイオジーゼル燃料は地球環境温暖化の観点からも有用かもしれない。
しかしながら、現在その原料として砂糖キビ、とうもろこし、大豆、菜種など食料資源を用い、全世界的に見ても明らかに少ない、人類の食を脅かすことは目に見えているのではないか?
このような中で、砂糖キビの搾りかすや、剪定枝、建築廃材などの木質廃材や、稲わら・籾殻・麦わらなど農作物の非可食部分を原料とするエタノール製造技術が研究されてきているのは当然とは言え、喜ばしいことである。
3月28日日本農芸化学会で発表された、月桂冠総合研究所、東北大学、神戸大学、京都大学による「スーパー酵母によるセルロースからのバイオエタノール生産」は分解しにくい農業廃材を亜臨界水により特別な薬剤を使うことなく醗酵プロセスに持ち込み、スーパー酵母でエタノールに変換できるもので、セルロース以外のバイオマスからのエタノール生産の可能性を持っているとのことです。
今後生産効率の向上、生産エネルギーの効率かも図られることと思うが、日本の世界に誇る醗酵技術の成果が世界のエネルギーまた食料事情の改善に役立つことを念願する。
「文責:江口 正」